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 時間湯とは江戸末期に興ったとされる草津温泉独自の集団入湯法です。草津温泉は強酸性で殺菌力が強いため、医療の発達していなかった時代には多くの人が救いを求めて訪れました。

 決められた時間帯に決められた時間だけ入るので「時間湯」と呼ばれています。

 源泉のすぐ近くに浴槽を作り、湧きたての温泉を水で薄めることなく、湯もみによって温度や濃度を調節することで、湯治の効果を最大限に発揮できるように考えられています。

 時間湯の特徴として「湯長」という湯治アドバイザーの存在があげられます。草津温泉は湯量が豊富で温度も高いことで有名ですが、時間湯では38℃〜48℃の温度を、個人個人に合わせて、湯長がお湯を作り、皆で一斉に入浴します。どのようなお湯を作れば良いのか、また事故なく湯治を続けるためにはどうしたら良いのかといった知識や経験も140年以上の歴史のなかで連綿と湯長に受け継がれてきました。建物も草津温泉に耐性のある赤松で作られ、腐食してしまうので金属製の釘などは用いられていません。浴槽もお湯が体に浸透しやすいように深く作られています。

 

 このように、温泉の力を効率的に体に取り入れて、湯治の効果を最大限に発揮し、湯治に来た方の社会復帰を手助けしてきたのが時間湯なのです。

© 2019 時間湯を守る会

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